2005年2月19日〜20日
        「若者と語る日中関係」

      〜今こそ歴史を鑑に!日中間の友好と信頼が平和への道〜


文化人類学的角度から細菌戦被害調査をしてきた感想

東京女子大学  聶莉莉


細菌戦被害の国家賠償、被害事実の再構成、被害者や遺族の記憶に耳を傾けることの意義

一.真の平和・和解のための対話
・中国:被害者−長期間には心に封じ込めた記憶、恨み
一般民衆−一元的に日本や日本人を捉える
・日本:他社への視線の欠如、加害を与えた他社に対する知識の不足、啓蒙の必要

二.20世紀の戦争に対する反省、特に生物戦に対する反省の貴重な材料
・戦禍を被る民衆社会
・心が痛む被害状況

三.戦争と人類社会
・本来の社会構造と戦争被害:政府の管理体制、都市と農村の構造、親族組織
・在来の文化と戦争被害:風俗習慣、身体観念、生命観、風俗医療体系
・災害と隣り合わせてきた底辺部の民衆社会
・人間存在の価値を考える

四.戦争記憶の保存現状、記憶から歴史と対面、再認識
・公的記録と心に秘めた記憶の大きなギャップ
・語れなかったことを考える
・「感情記憶」の整理と「疏導」